近視とは

子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、
ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。
世界保健機関(WHO)は、2050年までに2人に1人が近視になると推計しています。
特に高度な近視の場合は、黄斑変性症・網膜剥離・緑内障などの眼疾患に発展する可能性があるなど、
永久的な失明の主要原因の1つとされています。
近視は眼球が楕円形に伸び(眼軸長が伸びる)、ピントの位置がずれることで
生じる軸性近視のケースが多く、一度眼軸が伸びてしまうと、戻ることはありません。
そのため、眼軸の伸びを抑えることが近視の進行を抑制するうえで重要です。

オルソケラトロジー治療

就寝時にレンズを装用して角膜の形を矯正

特殊なコンタクトレンズを夜寝る前につける事で日中一定期間、視力を矯正する事ができる治療法です。

Q.睡眠時間はどれくらい必要?
→睡眠時間の目安は5時間以上です。
Q.オルソケラトロジーを続けると近視は治りますか?
→オルソケラトロジー治療中は一定期間視力矯正されますが、レンズの装用を中止すると徐々に治療前の元の近視状態に戻ります。視力が一生回復するわけではありません。

オルソケラトロジー治療のご案内

■ 治療の流れと費用(税込)

1.適応検査(両眼・片眼共通)3,300円
オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか「適応検査」を受けて頂きます。
適応検査で問題がなければ院内のトライアルレンズを装用頂きます。
※「オルソケラトロジー」の適応検査は予約が必要です。

2.お試し装用3,300円【週間】
(お預かり金)
両眼:33,000円 片眼:16,500円
約1週間、トライアルレンズを貸し出し致します。初回ケア用品代も含まれております。
↓治療継続可否決定

※本治療を開始される場合は本治療の費用をお支払い頂きます。
※お試し装用終了後に本治療代から預かり金を引いた残金をお支払い頂きます。
※お試しのみで終了される場合は両眼:33,000円 片眼:16,500円を返金いたします。
(トライアルレンズは返却頂きます。「お試し装用時にレンズの破損及び紛失が生じた場合は1枚につき16,500円を頂戴いたします。」)
※来院スケジュールは、適応検査日・お試し終了後・本治療用レンズ受取日・1ヶ月後・3ヶ月後・以降3ヶ月毎となります。

3.本治療【初年度】
両眼:165,000 円 片眼:82,500円
お試し装用後、治療の継続をご希望の場合は本治療の費用からお預かり金を引いた金額をお支払い頂きます。

※製品レンズの初回作成料
・製品レンズの使用料
・1年間の定期検査費用
・製品レンズの処方・破損交換保証費用
(処方・破損交換問わず、装用開始から12ヶ月以内片眼2回ずつ無料)
※ケア用品費用が別途費用となります。

4.定期検査【2年目以降年額】
22,000円(両眼・片眼共通)
治療を継続している期間は、3ヶ月毎に定期検査を受診して頂く必要があります(年4回)。
5回目以降は3,300円/1回費用がかかります。
定期検査では、視力・眼の健康状態・レンズの状態検査等を行います。
※その他ケア用品費用が別途必要となります。

5.その他費用
レンズの再作成・紛失時 36,300円/枚
※治療レンズは安全の為3年目以降は新しく更新して頂きます。

レッドライト治療

中国で2014年に長波長の650nmの赤色光が、過剰な眼軸延長を抑制する効果を有することが発見されました。
それ以降、中国国内ではこのレッドライトに対する近視進行予防効果の報告が集積されており、
2021年にアメリカ眼科学会雑誌に、レッドライト治療法の近視進行予防効果が発表され大きな話題となりました。

Eyerising(アイライジング)とは

Eyerising(アイライジング)とは

Eyerising(アイライジング)近視治療用機器はオーストラリアのEyerising International社が製造する
近視進行抑制治療(レッドライト療法)に使用するデバイスです。
このディバイスから照射されるレッドライトを、1日2回、1回3分、週5回照射することで治療効果が得られます。
※1日の治療間隔は4時間以上空ける必要があり、規定の照射時間、回数を超える使用はできない設定になっています。
この機器を使用しての治療はRLRL療法(Repeated Low-Level Red-Light therapy)と呼ばれています。
※本デバイスは日本国内では未承認の医療機器です。

■ 適応条件

●年齢6~16歳の近視と診断された小児

■ 禁忌

●斜視
●どちらかの眼に視機能異常がある
●どちらかの眼に眼球異常、またはその他の全身的な異常がある
●眼球異常 – 未熟児網膜症、網膜剥離、若年性黄斑変性症、網膜芽細胞腫などの網膜疾患がある場合
●遺伝性網脈絡膜疾患の家族歴がある
●瞳孔散大(散瞳)の小児、またはアトロピン、シクロペントラート、トロピカミドなどの瞳孔散大を引き起こす可能性のある薬剤を投与した後。
※低濃度アトロピン点眼治療との併用はできません。低濃度アトロピン点眼治療は治療の最低2週間前に中止する必要がございます。
※オルソケラトロジーとの併用は可能です。

■ 治療の流れと費用(税込)

本治療は自由診療となるため、保険診療は適応されません。

Eyerising(アイライジング)とは

点眼薬を用いた近視抑制治療

低濃度アトロピン0.01%点眼薬を用いた近視抑制治療について

濃度アトロピン点眼は、近視の進行を遅らせる(眼軸長の伸展を抑制する)という点で統計的にも臨床的にも有意義な効果が確認されている治療法の一つです。 最適な濃度(0.01%、0.025%)のアトロピンを配合する事により、近視の進行スピードを効果的に 抑える と同時に、アトロピン1% 点眼薬よりも副作用を軽減しています

■ 安全性について

シンガポール、および香港で行われた研究結果の安全性については以下の報告がありました。
※重篤な副作用の報告はありません。
1.点眼終了後、目の遠近調節機能の低下、および瞳孔が ひらき続けてしまうという報告はありませんでした。
2.アレルギー性結膜炎、および皮膚炎の発生は殆どありませんでした。
3.眼圧に影響を与えるという報告はありませんでした。
4.白内障を発症させるという報告はありませんでした。
5.電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした

■ 治療の対象

●12歳以下の小児
●中等度(-6.0D)以下の近視の方
●3か月毎の定期通院が可能な方。

■ 治療の流れと費用(税込)

1.適応検査(治療の対象であるかを検査・診断で確認します。)(要予約)
検査内容
(屈折 角膜形状解析 矯正視力 光学式眼軸長測定 細隙灯顕微鏡 眼底検査等)適応が問題なければ、低濃度アトロピンを発注させていただきます。

2.治療開始(要予約)
・治療内容の説明を行い、点眼薬の使用を開始します。
・点眼後の副作用について
点眼薬使用開始後に眩しさ、手元の見えにくさ、アレルギー症状(目のかゆみ、充血、皮膚の炎症)、動悸、その他の気になる症状がありましたら当院までご連絡ください。

3.定期検査(1週間後)(要予約)
・検査、診断、点眼薬使用後の状況を確認し、異常がなければ点眼薬を追加処方します。
・点眼薬による異常が認められた場合は治療を中止する場合があります。

4.定期検査(1カ月後)(要予約)
・検査、診断、点眼薬を処方します。
・3カ月毎に定期検査を行います。(定期的に視力や眼軸長等を検査し治療を評価します。)
・治療は2年以上継続していただくことをお勧めいたします。
・1回にお渡しできる点眼薬の本数は3本までです。