硝子体注射とは

網膜内や網膜下の異常な血管(新生血管)が原因で、網膜に出血や浮腫が生じると、視力低下やゆがんで見える症状が生じます。 新生血管は血管内皮増殖因子(VEGF)によって誘導されるため、VEGFの作用を抑えるための抗VEGF薬を眼内に注射する治療が硝子体内注射です。注射後1ヶ月程度の時間をかけて薬剤の効果が徐々に現れます。

使用する薬剤【抗VEGF治療薬】

アイリーア2mg 硝子体内注射

(脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性や病的近視、網膜静脈閉塞症、糖尿病黄斑浮腫、新生血管緑内障)

バビースモ

(脈絡膜新生血管を伴う黄斑変性や網膜色素線条、網膜静脈閉塞症、糖尿病黄斑浮腫)

ラニビズマブBS

(脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性や病的近視、網膜静脈閉塞症、糖尿病黄斑浮腫)

アイリーア8mg 硝子体内注射

(加齢黄斑変性、糖尿病黄斑浮腫)

硝子体注射の費用の目安

1割負担 2割負担 3割負担
ラニビズマブBS 9,000円 18,000円 27,000円
バビースモ 15,000円 18,000円 45,000円
アイリーア2mg 15,000円 18,000円 45,000円
アイリーア8mg 16,000円 18,000円 48,000円

硝子体内注射が必要な病気

以下の病気に対して、抗VEGF薬の硝子体注射は適応になります。
・加齢黄斑変性(AMD)
・糖尿病黄斑浮腫(DME)
・網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫
・近視性脈絡膜新生血管
・血管新生緑内障

硝子体注射の手順

抗菌の目薬をして終了です。眼帯は無しでお帰りいただいています。軟膏入れないです。点眼麻酔を行った後に、眼表面を消毒します。器具を用いてまぶたを開き、白目の部分に抗VEGF薬を注射します。非常に細い針を使用するため、痛みはほとんどありません。

注射前後の生活上の注意点

注射前

・注射当日は普段通りにお食事を済ませ、内服薬がある場合は普段通りに内服してください。
・生活上の注意点は特にありませんが、注射当日の朝に入浴(洗顔や洗髪含めて)を行うことをお勧めしています。

注射後

・注射後は院内で安静にして、体調などに異常がなければお帰りになれます。
・注射当日は首から下の入浴は可能です。
・こすったり、濡らしたりはしないようにしてください。
・眼の周囲は専用の清浄綿を用いて清潔に保ってください。
・洗顔や洗髪は注射翌日から可能です。
・温泉、銭湯、プール、サウナなどは、2週間程度は控えてください。
・強い痛みやめやに、視力低下が持続した場合にはご連絡ください。

硝子体内注射の投与間隔

硝子体内注射を行う回数や間隔は、病気の種類や勢いによって異なります。
加齢黄斑変性の場合には、以下のようなスケジュールで注射を行います。

・導入期の治療:治療開始時は、1ヶ月の間隔を空けて合計3回の注射を行います。
・維持期の治療:導入期以降は、病状に応じて1〜4ヶ月毎に追加の注射を行います。多くの場合には、長期間に渡る繰り返しの注射が必要になります。